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橋本病の原因・症状・治療について|甲状腺の病気について橋本病は、九州大学の外科医橋本策博士が1912年に、世界で初めて橋本病に関する論文をドイツの医学雑誌に発表したために、博士の名前にちなんで「橋本病」つけられました。橋本病は「慢性甲状腺炎」ともいいますが、この名はこの病気の成り立ちに由来するものであり、甲状腺に慢性の炎症が起きている病気という意味で、このように呼ばれることもあります。甲状腺の病気は、どれも女性の方がかかりやすいと言われていますが、橋本病は甲状腺の病気のなかでもとくに女性に多く、男女比は約1対20~30近くにもなります。また年齢では20歳代後半以降、とくに30、40歳代が多く、幼児や学童は大変まれです。 橋本病の原因橋本病は、「慢性甲状腺炎」ですので甲状腺に炎症が起きている病気です。しかし、原因は細菌による炎症ではなく、「自己免疫」の異常が原因で起こる炎症です。自己免疫で起こる病気はいくつかありますが、何がきっかけでこのようなことが起こるのか、いまだにはっきりしていません。橋本病はある種のリンパ球が甲状腺組織を攻撃して起こるらしいといわれています。 |
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橋本病の症状橋本病の症状①:甲状腺の腫れ
橋本病の症状②甲状腺機能低下による症状甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態をいいます。明らかな甲状腺機能低下症を発症している患者は橋本病の約10%ほどです。さらに20%ほどの患者では、血液検査をして初めて甲状腺ホルモンの不足があることが判明します。つまり、橋本病の人の約30%には、多かれ少なかれ機能低下があり、残りの70%は、甲状腺機能が正常ということになります。甲状腺腫があるだけでほかに身体的にまったく異常がないケースもありますし、逆に甲状腺腺腫がほとんど目立たないにも関わらず、甲状腺機能低下が著しく表れているケースもあります。 (甲状腺機能低下の症状) 1、浮腫(むくみ) 浮腫(むくみ)は、甲状腺機能低下症の代表的な症状です。「粘液水腫」とも呼ばれ、水っぽい感じはなく、圧迫してへこませても元に戻るのが特徴です。朝起きたときに手や顔がこわばる感じがします。さらに顔のむくみがひどいと、まぶたがむくんで、唇が厚くなり、舌が大きくなることもあります。また、粘膜もむくむことがあり、喉頭にむくみがくると声がしわがれて低くなります。 2、皮膚の乾燥 皮膚の表面が乾燥し、細かい粉がふいたようになります。これに貧血が加わると、皮膚が蒼白に見えたりします。 3、寒がり 新陳代謝が低下し、全身の熱の産生が減るため、寒さに弱くなります。夏でも暑さをあまり感じず、汗をかきません。 4、食欲がないのに体重が増える 食欲がなくなり、食べる量が少なくなりますが、新陳代謝が低下してカロリーの消費が減っているため、またむくみのために、体重は減らずにむしろ増えます。また胃腸の働きが悪くなるため、お腹がはって便秘をします。 5、脈がゆっくり静かになる 心臓の動きがゆっくり静かになり、脈を触れると数が少なく、弱く感じられます。心臓を包む袋に水がたまったりするため、心臓が大きくなります。 6、無気力になり頭の回転が鈍くなる ものごとに対する意欲・気力がなくなり、忘れっぽくなったり、行動的ではなくなったりします。どこでもすぐ居眠りをするようになります。話をする時に口がもつれたり、ゆっくりしたしゃべり方になります。 7、月経や妊娠等の異常 月経の量が多くなったり、長く続くことがあります。治療しないでいると、妊娠しても流産しやすくなる人もいます。 (注意したい橋本病の症状) 1、無痛性甲状腺炎 甲状腺の炎症により、甲状腺に蓄えられている甲状腺ホルモンが血液中にもれ出てくるために、一時的な甲状腺ホルモン過剰となります。そのため、バセドウ病と紛らわしい症状が出ることがあります。甲状腺の痛みはなく「無痛性甲状腺炎」といいます。長くても4ヶ月以内には自然に治ります。 2、橋本病の急性憎悪 甲状腺の炎症が急に悪化して甲状腺が大きくなり、痛んだり熱が出たりすることがあり、これを「橋本病の急性憎悪」といいます。甲状腺ホルモンが一時的に漏れ出して、動悸や息切れなどの甲状腺機能亢進症の症状が出ることもあります。痛み止めで治療しますが、薬を中止すると症状が再発することがあり、それを繰り返す場合は手術で治療が必要となることがあります。 3、特発性粘液水腫 甲状腺のはれがないほかは橋本病そっくりの甲状腺機能低下症があります。症状は一般の橋本病よりも著しいことが少なくありません。橋本病と同じ治療をします。 4、バセドウ病 非常にまれですが、途中でバセドウ病に変化することがあります。血縁のなかにバセドウ病の方がいる場合は、なりやすい傾向があります。逆にバセドウ病患者様のなかで、病状が好転した後に甲状腺機能低下症となり、橋本病と鑑別できない場合もあります。 橋本病の検査橋本病の診断には、びまん性(甲状腺全体に広がっている状態)の甲状腺腫があることと同時に、甲状腺ホルモンの産生が高まっていないこと(バセドウ病ではないこと)の確認が必要です。1、橋本病の検査:甲状腺機能検査甲状腺機能を調べるためには、血液中の甲状腺ホルモン濃度の測定をします。また、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定も行います。少しでも甲状腺ホルモンの不足があると、それを下垂体が敏感に感じてTSHの分泌を増やし、血液中の濃度が上がります。つまりTSHの濃度が少しでも高ければ、甲状腺ホルモンの不足があるということになり、甲状腺の機能が低下していることがわかります。 また、甲状腺機能低下症では血中のコレステロールが増えるため、このことから甲状腺機能低下症が見つかることもあります。 2、橋本病の検査:甲状腺の抗体の検査甲状腺腫があり、なおかつ甲状腺機能低下症があれば橋本病である証拠となります。しかし、甲状腺機能に異常がない場合は、「甲状腺の組織成分に対する抗体」があるかないかで診断します。これも血液で調べます。3、橋本病の検査:細胞検査血液検査で抗体を調べてもはっきりしない時には、細胞の検査をします。甲状腺の細胞は、細い注射針を使って吸い出すことができます。この診断方法を「穿刺(せんし)吸引細胞診」といいます。橋本病の治療甲状腺機能が正常である場合には、ホルモンの過不足なく、体には影響がありませんので、橋本病だからといって治療を急ぐ必要はありません。しかし、甲状腺機能低下がある場合には治療が必要となります。体にはっきりとした症状が無くても、甲状腺ホルモンの不足が長期に亘ると、心臓の働きの低下、肝臓の機能が低下など、新陳代謝の低下による影響がさまざまな臓器に出てきます。また、血液中のコレステロールの濃度が上がり、動脈硬化を早めたりするリスクもあります。 甲状腺機能低下症の治療方法は、体で分泌できない分の甲状腺ホルモンを薬で補うことです。甲状腺ホルモン薬には2つあり、治療に使うのはサイロキシン(商品名チラーヂンS)です。 高齢者や心臓に病気のある人、機能低下が著しい人は、少量から服用を始め、慎重に増量します。また、場合によっては入院も必要です。なぜなら、甲状腺ホルモン薬は適量を服用していれば副作用はありませんが、体にとって必要な量のホルモンであっても、急に服用すると心臓に負担がかかることがあるからです。 そして治療を続けるうちに、血液中の甲状腺ホルモンやTSH(甲状腺刺激ホルモン)の濃度が正常になり、甲状腺機能低下による症状がとれてきます。甲状腺腫は、初めから小さい場合は治療でほとんど消えてしまうことがありますが、大きい場合にはある程度小さくなったあと、そのままの大きさで残ることが少なくありません。ただし、甲状腺腫があるからといって機能低下症があるとか、それが著しいとかいうことはありません。 2、3ヶ月中にはそれぞれの患者様に適した薬の量が決まり、その後はその量の服用を続けます。血液検査の結果に基づいて決まった量を服用していれば、甲状腺のはれによるくびの圧迫感、のどがつまった感じといった症状以外に、橋本病が原因で体に症状が出ることはありません。もしもなにか症状が出るのであれば、ほかの原因を考える必要があります |
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