甲状腺の構造について
甲状腺の位置と形にはかなり個人差があります。通常、右の図のように、前頚部に位置するH字形の器官で、左右両側葉とそれをつなぐ峡部からできています
(約50%の人には峡部から上方に伸びる錐体菓があります)。左葉、右葉は気管の側面に張り付くように接し、峡部は第2~4気管軟骨の高さで気管前面を横切る形でついています。
甲状腺は左右両側葉が長さ4~5cm、幅1.5~3cm、厚さが2~3cmで、だいたい親指くらいの大きさです。また、峡部は上下の幅が2cm厚さは2~6mmで、左右両側葉、峡部を合わせた全体の重さは約20gです。
甲状腺の組織は多数の濾胞からできており、濾胞上皮細胞、少数の傍濾胞細胞(C細胞)、濾胞閏結合組織などで構成されています。結合組織のなかには毛細血管が分布しており、それは外頸動脈から分枝する上方1対の上甲状腺動脈と、鎖骨下動脈から分枝する下方1対の下甲状腺動脈に由来します。濾胞上皮細胞は甲状腺ホルモン(サイロキシン)を、またC細胞はカルシトニンを分泌しています。 |
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言語説明
濾胞
濾胞上皮細胞
傍濾胞細胞
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多数の細胞からなる完全に閉じた袋状の構造物で、中に分泌物がたまっています。
感覚上皮細胞とも言い、外部刺激の受容を行う上皮細胞
C細胞ともいいカルシトニンを分泌している細胞です。 |
甲状腺の働きについて
甲状腺の働きは、食物中のヨードを材料にして甲状腺の中で甲状腺ホルモンを2種類合成し、血中に分泌するすることです。
その甲状腺ホルモンは、トリヨードサイロニン(3個のヨードを含むT3)、もう一つはサイロキシン(4個のヨード含むT4)とそれぞれ呼ばれ、トリヨードサイロニン(T3)の方がサイロキシン(T4)より4倍も強い働きを持っています。
甲状腺ホルモンの量は、脳にある脳下垂体からでる甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調整されています。 |
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甲状腺ホルモンの働きは、大きく分けて以下の3つがあります。
1、細胞の代謝を盛んにする。
代謝を高め、脂質や糖質を分解燃焼させエネルギーを作りだします。
2、交感神経を刺激
交感神経が刺激される事で、体に危機が迫った際等に、瞬時に反応することができるよう心拍数や呼吸数等の上昇が起きます。
3、成長を促進します。
甲状腺ホルモンは子供が成長するために重要なホルモンです。
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