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甲状腺腫瘍|甲状腺の病気について

甲状腺腫瘍|甲状腺の病気について

 甲状腺の腫瘍にも、他の主要同様に良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性腫瘍には腺腫様甲状腺腫、濾胞(ろほう)腺腫があります。腺腫様甲状腺腫は結節性変化をきたす特殊な病変です。甲状腺濾胞が増殖癒合し大きな濾胞を多数形成するため甲状腺が結節状に腫大してくるもので、時に巨大な甲状腺腫を形成します。これは真の腫瘍ではなく結節性過形成ですので、良性の変化ではありますが、圧迫症状が出るほど大きくなることやガンとの区別がつかない時があります。濾胞腺腫は濾胞腺ガンとの区別がつきにくいことが多く、気をつける必要があります。
 
 甲状腺の悪性腫瘍は、比較的予後のよい分化ガンと悪性度の高い未分化ガンに分類することができます。悪性腫瘍の分化ガンには乳頭ガン、濾胞腺ガン、髄様(ずいよう)ガンがあります。悪性度の高い未分化ガンに甲状腺未分化ガン、悪性リンパ腫などがあります。甲状腺ガンの大部分は分化ガン(乳頭ガン、濾胞腺ガン、髄様ガン)であり、増殖はゆっくりであまり急に増大することはありません。数年から時には数十年もの間、頸部に腫瘤を触れる以外それほどの自覚症状もなく経過することがあります。しかし、ゆっくりではありますが、次第に周囲臓器へ浸潤し、頸部リンパ節転移、肺、骨などへの血行転移もみられることがあります。
 

甲状腺腫瘍リスト

甲状腺腺腫
甲状腺がん
 「分化ガン」
 ①甲状腺乳頭癌
 ②濾胞癌
 「分化度中間型」
 ①髄様癌
 「未分化がん」
 ①甲状腺未分化がん
 ②悪性リンパ腫

甲状腺腺腫

 甲状腺腺腫とは、甲状腺にしこりができているという状態をいい、厳密には疾患名ではありません。
腺腫=腺細胞の腫瘍性増殖性病変(良性腫瘍)をいいます。正常な腺上皮細胞に変異が生じて腫瘍化し、腺腫細胞が発生部位に限局してモノクローナル(腫瘍は、1個の細胞の分裂増殖に基づくため、単クローン性増殖物といわれます。この点では,良性腫瘍でも悪性腫瘍でも変わりはありません)に増殖し、規則的な配列や増殖パターンを形成したもをいいます。

 癌腫との違いは、腫瘍化した細胞が組織破壊性に浸潤したり、他の臓器に転移したりしないことです。また、腺腫は細胞増殖のスピードが緩徐で、癌のように急激な増大をしたり壊死を伴わないことなどが特徴。


甲状腺がん

 甲状腺悪性腫瘍には、分化がんである、乳頭癌、濾胞癌、分化度中間型である髄様癌、未分化がんである甲状腺未分化癌、悪性リンパ腫といった種類の悪性腫瘍があります。このなかでは、発育の遅い乳頭癌が約85%と圧倒的に多くを占めています。ついで,濾胞癌が約9%で、残りの癌はまれです。甲状腺癌は他の癌と比べ、若い人にも多いのが特徴で、乳頭癌,濾胞癌は40歳代が最も多く、ついで30歳代、20歳代の順になっていて、10歳代に発生することもあります。女性が圧倒的に多くなっています。まれにしかみられませんが、きわめて予後の悪い(たちの悪い)未分化癌は50歳以上の人に多く、男女ほぼ同数です。髄様癌は遺伝性(家族性)のものが約30%にみられます。


「分化ガン」

①甲状腺乳頭癌

甲状腺乳頭癌
頻度 80%と甲状腺癌のなかではもっとも高くなっています。
特質 女性に多く、好発年齢は30-50歳代。
被曝によって生じる甲状腺癌のほとんどが乳頭型です。
検査  画像診断としては超音波検査が良く使用されています。エコーにおいては腫瘤像を認め、その内部エコーは不均一で低く、辺縁は不整です。また、しばしば内部に微細な石灰化による散在性の高エコー域を認めます。肉眼的所見としては、硬い結節で、表面に凹凸があります。
 病理診断においては微細な石灰化が指摘され、また、穿刺吸引細胞診では、集団を形成した腫瘍細胞が多数採取されます。細胞集団は乳頭状またはシート状の配列を示し、細胞内にはすりガラス状の核を見ることができます。また、細胞質が核内に陥入して切れ込みを作り、封入体のように見えることもあり、これを核内細胞質封入体と呼びます。なお、血液検査においてはサイログロブリン値上昇が出現しますが、これは特異的なものではないため、診断的評価としての価値は高くありません。
概要  腫瘍の成長は遅く、特に微小な腫瘍は倍加するのに数年を要する場合もあります。主にリンパ行性の転移を示し、初診時に既にリンパ節転移を起こしているケースもありますが、発育が遅いため、リンパに移行しても予後はそれでも悪くない。浸潤傾向は強くないが、進行すると反回神経麻痺や、食道浸潤による嚥下困難を来たすこともあります。
 上記のことから、若年発症が多いにも関わらず、早期治療を行えば予後は極めて良好で、10年生存率は80%以上とされており、小さい腫瘍であった場合は95%以上の術後30年生存率を報告もあがっています。
 治療の第一選択は手術ですが、予後良好であることから、術後のクオリティ・オブ・ライフを勘案すると、どこまで摘出範囲を広げるべきかという点については議論があります。また、必要に応じて放射線外照射、放射性ヨード治療、TSH抑制療法なども行われます。

 近年では、1センチ以下の小さな乳頭癌は症例を選べば手術をせずに定期的に経過をみるだけで十分であるという研究報告もあります。しかし、どんな症例にも適応できるわけではなく、それを行っている施設は限られています。



②濾胞癌

濾胞癌
頻度 頻度は10~15%
特質 乳頭癌と同様に女性に多いが、好発年齢はやや高く、40~60歳代です。
検査  超音波検査では、低エコー域の腫瘤状陰影を呈する。良性腫瘍である濾胞腺腫との鑑別は、かなり進展した場合を除いて困難である。境界の不整像を認めれば濾胞癌の公算は大きくなるが決定的ではなく、穿刺吸引細胞診での鑑別も困難です。
概要  上記のことから、画像上、あるいは臨床的に濾胞癌を疑う場合は、そうと診断されなくとも手術を施行するのが一般的です。
 濾胞癌を疑って手術をする場合は、単発であれば一般的には甲状腺の片葉切除のみにとどめ、リンパ節郭清は行わない事が多い。これは乳頭癌と異なり、濾胞癌がリンパ節転移を起こす頻度は非常に低いためです。


「分化度中間型」

①髄様癌

髄様癌
頻度 頻度は1~2%
特質 乳頭癌と同様に女性に多く、好発年齢は30-50歳代。
検査  超音波検査では、比較的辺縁がスムーズな低エコー域となり、その内部にはしばしば粗い石灰沈着が認められますが、画像診断は困難な場合があります。穿刺吸引細胞診では、ゆるく結合した細胞集団が採取され、間質にはアミロイドが認められます。
概要  傍濾胞細胞(C細胞)に由来していることから、カルシトニンや、これとともに癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen)などを分泌します。多発性内分泌腺腫症として出現することが多く、孤発例の場合には結節性甲状腺腫で発症するケースが多いのに対し、家族性発症例の場合には、先行して発症している褐色細胞腫の精査中に発見されるケースが多くなっています。いずれも発育は緩徐で、周辺組織への浸潤もあまり強くありません。
 早期発見すれば、治療の第一選択は手術です。
放射性ヨード治療、TSH抑制療法は効果がありません。


「未分化がん」

①甲状腺未分化がん

髄様癌
頻度 頻度は3~5%。
特質 乳頭癌と同様に女性に多いが、好発年齢はさらに高く、60歳代以上です。
検査  超音波検査では、境界が著しく不整で不明瞭な腫瘤像が見られます。その内部は低エコーでかつ不均一であり、しばしば粗大な石灰化が認められます。穿刺吸引細胞診では、結合傾向の弱いばらばらの腫瘍細胞が採取でき、異形成が著しく、盛んに分裂している様子が観察されます。また、全身の炎症症状を反映して、血沈の亢進、血清CRP値の上昇、白血球数の増加を認めますが、血清ホルモン値やサイログロブリン値は原則として正常です。
概要  乳頭癌または濾胞癌が転化したものと考えられており、すべての悪性腫瘍の中でもっとも予後不良とされ、どんな治療を行なっても1年以上の生存は稀です。27時間で腫瘍細胞が倍加する可能性があるという報告もあります。急速に増大する頸部腫大を訴えることが多く、急激に周囲へ浸潤することから、頚部の圧迫感、疼痛、熱感を覚え、皮膚発赤、嗄声、呼吸困難、嚥下困難などを来たすこともあります。発熱や体重減少などの全身症状もしばしば出現します。
 早期発見できたものは、抗癌剤、手術、放射線外照射を組み合わせた複合治療を行いますが、腫瘍の増大が早いため早期発見できず緩和治療に移る場合が多いのが現状です。放射性ヨード治療、TSH抑制療法は効果はありません。

 最近、未分化癌コンソーシアムが出来、多くの施設の未分化癌が登録性になった。そこで前向き研究として切除不能な未分化癌に対してパクリタキセル(タキサン系に類する抗悪性腫瘍剤)を投与することが提案され可決された。


②悪性リンパ腫

橋本病を母地として発症します。橋本病患者で甲状腺腫が急速に増大した時は積極的に疑う必要があります。治療は悪性リンパ腫の組織型によって異なるが、放射線外照射、化学療法、もしくはその組み合わせを行います。放射性ヨード治療、TSH抑制療法は効果がありません。早期発見すれば予後はおおむね良好です。

詳しくは悪性リンパ腫をご覧ください。


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