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甲状腺機能低下症(橋本病他)|甲状腺の病気について

甲状腺機能低下症(橋本病他)|甲状腺の病気について

 甲状腺ホルモンの分泌量(活性)が不十分となる疾患です。代謝内分泌疾患の一つで、先天性、或いは幼少時発症のものは発達上の障害が大きな問題となるため特にクレチン症といいます。
 種類は、甲状腺自体が損われて起こる原発性機能低下症と、甲状腺をコントロールしている甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が低下するために起こる続発性機能低下症、極めてまれな甲状腺ホルモン不応症に分けることができます。
 原発性機能低下症の原因としては、甲状腺の術後、アイソトープ治療後、甲状腺ホルモン合成障害などがありますが、圧倒的に橋本病によるものがほとんどです。ただし、甲状腺は予備能力が非常に高い臓器で正常な細胞が10分の1でも残っていればホルモンの分泌は低下しません。橋本病でも多くの場合は甲状腺腫があるだけで、甲状腺機能低下症の症状は出ません。

甲状腺機能低下症リスト

橋本病

クレチン症


橋本病

 橋本病は、九州大学の外科医であった橋本策博士が1912年(大正元年)に、世界で初めてこの病気に関する論文をドイツの医学雑誌に発表したために、博士の名前にちなんでつけられた病名です。橋本病は「慢性甲状腺炎」ともいいますが、この名はこの病気の成り立ちに由来するものであり、甲状腺に慢性の炎症が起きている病気という意味で、このように呼ばれることもあります。
 甲状腺の病気は、女性の方がかかりやすいものと言われていますが、橋本病は甲状腺の病気のなかでもとくに女性に多く、男女比は約1対20~30近くにもなります。また年齢では20歳代後半以降、とくに30、40歳代が多く、幼児や学童は大変まれです。
 橋本病は、甲状腺に炎症が起きている病気ですが、「自己免疫」の異常が原因で起きる炎症です。自己免疫で起こる病気はいくつかありますが、何がきっかけでこのようなことが起こるのか、いまだにはっきりしていません。橋本病はある種のリンパ球が甲状腺組織を攻撃して起こるともいわれています。

橋本病の症状

 橋本病では、くびが太くなって見えることがよくあります。これは甲状腺がはれて大きくなっているためです。橋本病の場合は、このはれ(甲状腺腫)が診断の糸口になることが少なくありません。
 甲状腺腫の大きさは、慣れた医師が触らないとわからないような小さいものから、見ただけではっきり分かるものまでさまざまです。バセドウ病の甲状腺腫と似ていますが、橋本病の方が比較的硬く、表面がゴツゴツしているものが多い傾向があります。

そのほかの身体的症状として、以下のようなものがあります。
①むくみ
 むくみは、甲状腺機能低下症のおもな症状です。「粘液水腫」とも呼ばれ、水っぽい感じはなく、圧迫してへこませても元に戻るのが特徴です。朝起きたときに手や顔がこわばる感じがします。さらに顔のむくみがひどいと、まぶたがむくんで、唇が厚くなり、舌が大きくなることもあります。また、粘膜もむくむことがあり、喉頭にむくみがくると声がしわがれて低くなります。

②皮膚の乾燥
 皮膚の表面が乾燥してカサカサし、細かい粉がふいたようになります。これに貧血が加わると、皮膚が蒼白に見えたりします。

③寒がりになる
 新陳代謝が低下し、全身の熱の産生が減るため、寒さに弱くなります。夏でも暑さをあまり感じず、汗をかきません。

④食欲がないのに体重が増える
 食欲がなくなり、食べる量が少なくなりますが、新陳代謝が低下してカロリーの消費が減っているため、またむくみのために、体重は減らずにむしろ増えます。また胃腸の働きが悪くなるため、お腹がはって便秘をします。

⑤脈がゆっくり静かになる
 心臓の動きがゆっくり静かになり、脈を触れると数が少なく、弱く感じられます。心臓を包む袋に水がたまったりするため、心臓が大きくなります。

⑥無気力になり頭の回転が鈍くなる
 ものごとに対する意欲・気力がなくなり、忘れっぽくなったり、行動的ではなくなったりします。どこでもすぐ居眠りをするようになります。話をする時に口がもつれたり、ゆっくりしたしゃべり方になります。

⑦月経や妊娠等の異常
 月経の量が多くなったり、長く続くことがあります。治療しないでいると、妊娠しても流産しやすくなる人もいます。

橋本病の検査と診断

①甲状腺機能の検査
 甲状腺機能を調べるためには、血液中の甲状腺ホルモン濃度の測定をします。
また、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定も重要です。少しでも甲状腺ホルモンの不足があると、それを下垂体が敏感に感じてTSHの分泌を増やし、血液中の濃度が上がります。つまりTSHの濃度が少しでも高ければ、甲状腺ホルモンの不足があるということになり、甲状腺の機能が低下していることがわかります。
また、甲状腺機能低下症では血中のコレステロールが増えるため、このことから甲状腺機能低下症が見つかることもあります。

②甲状腺の抗体の検査
 甲状腺腫があり、なおかつ甲状腺機能低下症があれば橋本病である証拠ですが、甲状腺機能に異常がない場合は、「甲状腺の組織成分に対する抗体」があるかないかで診断します。これも血液で調べます。

③細胞検査
 血液検査で抗体を調べてもはっきりしない時には、細胞の検査をします。甲状腺の細胞は、細い注射針を使って吸い出すことができます。この診断方法を「穿刺(せんし)吸引細胞診」といいます。

橋本病の治療

 橋本病が見つかったとしても、甲状腺機能低下症の症状が出ていなければ急いで治療を開始する必要はありません。
 甲状腺機能低下症の治療方法は、甲状腺ホルモンの投薬治療です。
治療に使うのはサイロキシン(商品名チラーヂンS)です。
高齢者、心臓に病気のある人、機能低下が著しい人は、少量から服用を始め、慎重に増量します。
 そして治療を続けるうちに、血液中の甲状腺ホルモンやTSH(甲状腺刺激ホルモン)の濃度が正常になり、甲状腺機能低下による症状がとれてきます。甲状腺腫は、初めから小さい場合は治療でほとんど消えてしまうことがありますが、大きい場合にはある程度小さくなったあと、そのままの大きさで残ることが少なくありません。
 2、3ヶ月中には適した薬の量が決まり、その後はその量の服用を続けます。血液検査の結果に基づいて決まった量を服用していれば、甲状腺のはれによるくびの圧迫感、のどがつまった感じといった症状以外に、橋本病が原因で体に症状が出ることはありません。もしなにか症状が出る場合は、ほかの原因を探る必要があります。


クレチン症

 クレチン症は先天性甲状腺機能低下症の通称で、甲状腺ホルモンの先天的な欠乏によって起こる疾患をいいます。甲状腺ホルモンは体内の代謝調節を行う重要なホルモンで、生後数年以内の成長発達に重大な役割を果たし、不足すると成長発育・知能発達に障害をもたらします。そのため、クレチン症においては、早期発見早期治療を行うことが重要となります。
 発見頻度は、欧米主要国では3,500人から4,500人に1人と報告されています。日本では約4,000人に1人と推計されていますが、病型が確定した「真」のクレチン症の頻度はまだ明らかではありません。

クレチン症の症状

 新生児期の早期には黄疸の持続、便秘、臍ヘルニア、巨舌、かすれた泣き声、手足の冷感などがあり、長期的には知能低下や発育障害が問題になります。日本では、新生児マススクリーニングが行われており、症状が現れる前にほとんどが発見されます。ただしマススクリーニングで発見できない症例(TSH遅発上昇型など)の報告もあります。

クレチン症の検査と診断

 生後5〜7日に、血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定によるマススクリーニングが行われます。TSHが高値であると、再採血あるいは精密検査となります。精密検査では、TSH、FT4、大腿骨遠位端骨格のX線検査、甲状腺の超音波検査などを行います。
 一過性甲状腺機能低下症との区別のため、母親の甲状腺疾患(母親がバセドウ病の場合には抗甲状腺薬内服の有無)、胎児造影、イソジン消毒、コンブの食べすぎなどによるヨード大量曝露(ばくろ)の有無などの確認を行います。

クレチン症の治療

 生後2カ月以内の甲状腺機能は知能予後に極めて重要と考えられていますので、機能低下が疑われればまず治療を開始することが基本です。1日1回甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンナトリウム(チラーヂンS錠、散、10〜15μmkg日より開始、成人では2〜3μmkg日で維持)の内服を行います。病型診断は、3歳以後にいったん内服を中止し、123I甲状腺摂取率、シンチグラム、唾液血液ヨード比、ロダンカリ放出試験などによって行われます。

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1、甲状腺の構造と働き
2、甲状腺ホルモンの働き
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①甲状腺機能亢進症 ②甲状腺機能低下症 ③甲状腺炎

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